ATR-Promotions BAIC 脳活動イメージングセンター

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喉頭付近の発話系MRI画像・動画サンプル

概要

 Siemens 製 MAGNETOM Verio (3T) による、喉頭付近を対象とした発話研究用のサンプルデータです。実際の実験で必要なパラメータ設定等がありましたら、対応いたしますのでご相談ください。
 画像の良さは被験者のパフォーマンスによるところが大きいです。これは撮像中の体の動きが画像に悪影響を与えるためです。静止画なら発話中に確実に静止できると、動画なら全く同じ調音運動が繰り返しできると綺麗な画像になります。

 リンク先の動画はwmv(Windows Media Video)形式です。実際に撮像された画像のサイズは各図の説明にあります画像ピクセル数をご覧ください。

  1. 発話同期法による動画
  2. 発声同期法による静止画
  3. 連続撮像による静止画
  4. 温度計測

(最終更新:2010年11月12日)


発話同期法による動画

 ヘッドホンから提示される音刺激のリズムに合わせて、同一タスク(数秒の単語の発話)を繰り返し、動画を得る手法です。いわゆるMRIムービーです。

-----Sagittal-----

Movie
撮像時間: 約4分 / タスク: /aka/ /タスク繰り返し数: 128
シーケンス: flash_2d / フレームレート: 30[frames/s]
画像ピクセル数: 256x256 / 解像度(1ピクセルのサイズ): 0.5x0.5[mm]
スライスの厚さ: 3[mm] / スライス枚数: 1 / フレーム数: 34


-----Transverse-----

Movie1 Movie2 Movie3 Movie4 Movie5 Movie6 Movie7
撮像時間: 約4分 / タスク: /aka/ / タスク繰り返し数: 128
シーケンス: flash_3d / フレームレート: 30[frames/s]
画像ピクセル数: 256x256 / 解像度(1ピクセルのサイズ): 0.5x0.5[mm]
スライスの厚さ: 3[mm] / スライス間ギャップ: 0.3[mm] / スライス枚数: 7 / フレーム数: 34


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発声同期法による静止画

 ヘッドホンから提示される音刺激に合わせて、同一タスク(母音の発話等、たとえば「あー」の発話)を繰り返し、発話同期法同様にその間の動画を撮像します。ただし、これは動画を撮るのが目的ではなく、呼吸等にともなう音声器官の変動の影響を除去してきれいな静止画を得ることを目的としています。
 刺激音は声の出し始めを合図するもので、被験者はそれに合わせて発声を開始します。これを繰り返します。 刺激音開始から一定時間後のフレームに対応する静止画は、呼気の同じフェーズにおける音声器官の状況を撮像したものとみなすことができます。
 次に示す「3. 連続撮像による静止画」では、撮像に何分もかかるので、途中で息継ぎが必要になります。また呼気や吸気の途中でも、音声器官の形状は変化します。したがって連続撮像ではその影響が静止画にノイズとして現れますが、この発声同期による静止画ではそれを少なくすることができます。
 以下の図の「movie」でダウンロードできる画像は、喉頭の「下から上」に向かっての各スライス画像(静止画)(スライス面はtransverse)を連続的に表示したものです。(「動画」ではありません。)。

-----TSE-----

Movie
撮像時間: 約7:50 / タスク: /i/
撮像シーケンス: ext_tse2d / 画像ピクセル数: 384x384[pixels]
解像度(1ピクセルのサイズ): 0.33x0.33[mm] / スライスの厚さ: 2[mm]
スライス間隔: 4[mm] / スライス枚数: 34


-----FLASH-----

Movie
撮像時間: 約12:30 / タスク: /i/
撮像シーケンス: fl3d_ext / 画像ピクセル数: 512x512[pixels]
解像度(1ピクセルのサイズ): 0.38x0.38[mm] / スライスの厚さ: 1[mm]
スライス間隔: 1[mm] / スライス枚数: 60

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連続撮像による静止画

 通常の静止画撮像法で撮像した静止画です。全スライスを数分間かけて撮像します。そのため、発声しているときばかりでなく吸気のときにも画像を作るためのデータ採取が行われています。したがって発声器官の形状や位置が呼吸にともなって動き、画像にはノイズが現れやすくなります。
 ここで表示される図の「movie」も「2. 発声同期法による静止画」の場合と同様、喉頭の「下から上」に向かっての各スライス画像(静止画)(スライス面はtransverse)を連続的に表示したものです(「動画」ではありません)。

-----flash-----

Movie1
撮像時間: 6:22 / タスク: /i/ / 撮像シーケンス: flash_3d / 画像ピクセル数: 256x256[pixels]
解像度(1ピクセルのサイズ): 0.5x0.5[mm] / スライスの厚さ: 1[mm]
スライス枚数: 64 / 平均化処理: 無し
撮像中の呼吸等の影響により、声帯付近の画像が歪んでしまっています。


-----T1-vibe-----

Movie
撮像時間: 2:55 / タスク: /i/
撮像シーケンス: t1_vibe / 画像ピクセル数: 256x256[pixels]
解像度(1ピクセルのサイズ): 0.50x0.50[mm] / スライスの厚さ: 1[mm]
スライス間隔: 1[mm] / スライス枚数: 60


Movie
撮像時間: 2:54 / タスク: (rest)
撮像シーケンス: t1_vibe / 画像ピクセル数: 512x512[pixels]
解像度(1ピクセルのサイズ): 0.25x0.25[mm] / スライスの厚さ: 1[mm]
スライス間隔: 1[mm] / スライス枚数: 60


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温度計測

 喉頭コイルの温度上昇の検討を行いました。
 flashシーケンス, FA:50, SAR:68%の連続スキャンです。これは温度上昇のみを狙ったシーケンスを長時間行うという極端な例です。実際の喉頭撮像実験では、連続撮像を行うことは、まずありません。
 コイルのプリアンプ部、およびアンテナ部が少しずつ温度上昇していく様子が確認できます。それに合わせてMRIガントリ内の空気温度も上昇しています。空気温度の上昇は、コイル自体の発熱もありますが、MRIガントリ自体からの発熱の影響が大きいと思われます。また、ある程度温度が上昇すると空調が自動的に働くために、各部は冷却されます。

 以上のことから、実際の実験において喉頭コイルを使用する場合には、温度上昇は大きな問題とはならなず、通常の使用においては熱傷の可能性も非常に低い考えられます。さらに、実際の実験では喉頭からの振動をコイルが拾わないようにするために、人体とコイルは接触しないようにセッティングする必要がありますので、安全性はより高い状態で行われることになります。

上図クリックで拡大。

喉頭用コイル模式図です。温度計測は光ファイバ温度計 FLS-SCA-T4 (ファイバーラボ株式会社) をコイル部、およびプリアンプ部、テスト撮像に使用したファントムボトルの表面、およびガントリ内空中の合計4ヶ所に装着して、温度計測を行いました。


上図クリックで拡大。
flash, FA:50, SAR:68%。

 撮像前にコイルとファントムをMRIにセットした状態で1時間ほど放置しました。よって計測開始時点の温度は全ての計測点でほぼ同じになっています。
 温度センサは喉頭コイルのプリアンプ部、アンテナ部、ファントムおよびガントリ空中の4ヶ所に設置しました。
 空調の稼働よるコイルのプリアンプ部、アンテナ部の温度下降が見られます。ファントム温度は単調増加でした。ファントムボトル内の液体の対流や、比熱の影響のためと思われます。
 計測は連続的に2時間行われましたが、通常の倫理・安全審査では実験拘束時間が2時間が限度ですので、この計測時間は妥当であると判断できます。

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